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2017-08-10

フラメンコなギブ&テイク

ここへ来て10年。町のほとんどの人と顔見知りなのに、なぜかずっとしっくり来ないでいた。ここは私の本当の居場所ではないのかもしれないとまで思い詰めたことも幾度となくあった。
 年度末で各種会合が目白押しな3月。ある会合で、自然な話の流れでフラメンコの話を出すと、踊ってみせるよう促され、「これはフラメンコを知ってもらうチャンスだ!」とばかり立ち上がった。マノを回しながらブラソを大きく回すことを繰り返しただけだが、意外にも冷やかされることなく、「本格的だね」「今までにない新しい風を吹きこんでくれそうだね」と感心された。小さな町なのでたちまち噂になり、集まりのある度に話題に上がった。先日は小中学校合同の送別会で地域の人たちがたくさん集まる中、リクエストに応え踊った。教頭先生まで一緒に踊り出し、オッサンたちも「こうかい?」とマノを回し始めた。このようにざっくばらんにやる上で一番避けたいのは、単なる賑やかしのフラメンコもどきになることだ。それが、誰かがフラダンスと間違って言えば必ず他の誰かが訂正してくれる。そしてギターや歌や踊りが好きな人が結構いることも判明、フラメンコ は音楽だと認識されてもいる。毎年小学校の学芸会でPTA合唱をやる。今年はフラメンコもやることにほぼ決定だ。
 こうして私も必要とされ地域に馴染むことが出来た。僻地で過疎地、段々寂れる地域にフラメンコな温もりが広がりつつある。
(北海道 さらこ 36/酪農家)

<パセオフラメンコ2009年10月号 掲載>

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