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2017-08-13

フラメンコの神様ってイジワル

長男の嫁となるのを契機に、長年続けたフラメンコを辞めた。嫁に習い事などあり得ないし、跡継ぎの出産は嫁の責務だ(いつの時代だ?)。炊事・洗濯・掃除と同様の義務のように不妊治療に通う。気がつけば、お先真っ暗な人生。頑張れと言われても、どう頑張ればいいの? もう少しと言われても、一体いつまで続けりゃいいの? 唯一の楽しみだったフラメンコも奪われ、まるでダメ人間の烙印でも押されたかのように、女の本能を全うできない自分を責める日々に押し潰される。瞼が腫れるほど泣きじゃくったある暑い夏の日、たまたま手に入れた野外フラメンコのチケット。そこで久しぶりに観たアレグリアスに、人目もはばからず涙した。ただただ生きていることの嬉しさに心が震えた。不妊治療はお休みすることにした。手に入らないものを、自分ではどうしようもできないことを、無理に欲して人を羨み、自分をも嫌って生きるより、夢中になれる大好きなフラメンコを極めてみよう! そう固く決意し歩み出した矢先、あろうことか、授かった。このタイミングなのぉ? 正直言って複雑な心境。でも、フラメンコはあきらめない。困難になればなるほど気合いが入る。絶対いつかやり遂げてやる!
いま私は思うんだ。辛かったけど、こんな経験をして本当によかったと。人の痛みも多少はわかる今の私がいるのは、もがいて苦しんだ過去と、そしてそれを見守り励ましてくれた大勢の人達のおかげだと。鍛えてもらった感性は、豊かな人生と、豊かなフラメンコの表現力につながると信じて、これからも頑張りますっ!

(栃木県/ひたーな/ア・ラ・フォ♪)

<パセオフラメンコ2010年1月号 掲載>

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