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2017-08-18

最強のリハビリ

フラメンコは難しい。なんでできないかな……という歯がゆい思いで、どんどんはまっていった。習い始めて2年が過ぎたころ、私は無謀にもティエントスとシギリージャスのクラスを同時に取った。週1度のレッスンでは覚え切れず、自主練習もやりながら悪戦苦闘していたある日、病気が見つかった。乳がんだった。身内には誰もいなかったので、まさに晴天の霹靂だった。しかも、親しい友人が大腸がんで7年の闘病の末に旅立ったばかりで覚悟を強いられた。しかし、ティエントスの複雑な振付や、シギリージャスのサパティアードとカスタネットに四苦八苦していた私には、病気の心配をしている暇などなかった。レッスンを休むなんて考えられなかった。発覚から3ヵ月後、築地の国立ガンセンターで手術は行われた。幸いリンパ節への転移がなく、胸を温存することができた。レッスンは1回休んだだけだった。マノとブラソの練習はリハビリに効果的だった。入院の荷物にはこっそりフラメンコシューズを忍ばせていた。国立ガンセンターの病室でシギリージャスのサパティアードを踏んだのは、おそらく私だけであろう。早く踊りたい一心で、病気の心配は完全にお留守になっていた。乳ガンは経過観察が10年なので、今も通院している。病気の方はすっかり克服したと思っている。そんなことより問題は、相も変わらず私を苦しめるフラメンコの方。今の課題はソレアレス。足も手も、間の取り方も理解ができない。どなたか教えて下さい。
(神奈川県・モニカ/53歳)

パセオフラメンコ20106月号 掲載

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