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2017-08-26

天国のおばあちゃんに誓う

森ガールやらナチュラルメイクやらという言葉が流行する前から、私は顔に塗るものと言えば、化粧水と日焼け止めぐらいだった。すっぴんでも十分美しかったから。とまではいかないまでも、素朴が一番! をモットーに、世間様へのマナーとして眉毛だけをササッと描き、どこへでも出掛けて行ったものだ。
ところがフラメンコ歴2年が過ぎた39歳の夏、初めての発表会に出場したことで、私の人生は大きく変わってしまう。この発表会で私はメイクに目覚めてしまったのだ。付けまつげに、マスカラ、アイシャドウ。頬にもシャドウとハイライト。薬用リップじゃない、色のついた口紅。初めておもちゃを与えられた子供のように私は夢中になった。そうか、私って女の子だったのね。それからはもう、出勤前はマスカラを念入りに。アイラインも忘れずに。眉毛が一発で上手く描けた日なんかは、一日ご機嫌で過ごせるし、気持ちが上がる。仕事の効率も上がる。そしたらアレアレ? もしかして恋愛運まで上がって来ちゃった? なんだか急にモテるじゃない? 「人間は見た目じゃない、中身なのよ」って先日亡くなったおばあちゃんが昔よく言ってたけど、あれって嘘だったのかなぁ。おばあちゃんの教えを守って、花よりだんご、男よりだんごで生きてきたのに……。おばあちゃん。私、これからは見た目も磨くよ。フラメンコで習ったお色気ビーム視線を振りまいて、胸上げて、あご引いて、素敵な王子様をゲットするからね。

(神奈川県・ベロニカ/40歳)

パセオフラメンコ20112月号 掲載

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