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2017-08-13

雰囲気の補給方法

私の不幸はジャマーダができないことだ。私が構えると皆が首を傾げる。「どこが悪いのかうまく言えないけど、とにかく動きがおかしい」と言われる。言われなくても鏡を見ていれば、自分が不格好なのは一目瞭然。できないのはジャマーダだけではなく、ブエルタだってサパテアードだってフラフラしてしまってできない。ギターさんにも「今のジャマーダだったの?」と言われて、音を止められてしまった。こんな武勇伝から、クラスではジャマーダのできないあっちゃんで通っている。私だって、顔で笑って心で泣いているんだ。手をいっぱいに伸ばせば、強制ギブスしてるみたい。少し力を抜けば、だらしがない、動きが小さい。しまいには、アイレがない、雰囲気が足りないと言われて……涙が出ないわけがない。雰囲気の補給方法なんて習ったことないのだから。
それでもレッスンに行くのが楽しい。もうすぐ発表会だと思うと足はすくむけど、皆が助けてくれると約束してくれた。ギターさんはどんな小さな動きも見逃さないからと言ってくれた。足りないアイレは、カンテさんがハスキーな声でフォローしてくれると言ってくれた。迫力の足りない足音は、皆がパルマで盛り上げてくれると言ってくれた。大嫌いだったブレリアも好きになってきた。一人で踊れない私が、皆に支えられて踊る。失敗するたびに「本番じゃなくてよかったね」と笑ってくれる友人は私の宝物だし、皆のフォローの中で踊っているうちに、アイレが出てきたように錯覚できるから不思議だ。

(大阪府/あっちゃん/22歳)

<パセオフラメンコ2010年1月号 掲載>

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