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2017-08-14

思い上がりと思いやりと

発表会まで苦しい2年間だった。メンバーは7人から4人になり、発表会直前まで足やポイントを覚えられない人の自主練に、何度も付き合った。スペードや量のハードな足打ちが連続する、一度失敗するともう入れない、難易度の高いアレグリアス。ファルダも一度取り損ねると、後半まで取り直しが利かない。群舞なりの理想があった私は、何度も悔しい思いをし、色んな事を諦め、ソロのつもりで踊ろう、と気持ちを切り替えた。
そして、自分のことを棚上げするその思い上がりは、当日リハに反映される。たった一度しかないファルダを取るチャンスに失敗。持ち直そうとしている間に足が疎かになり、ボロボロのまま終了。ショックとプレッシャーは恐怖となって私を押し潰し、出番直前に楽屋で泣き出してしまった。楽屋にいた先輩方は「あんなに練習したじゃない。大丈夫よ」と励ましてくれた。そうだ。足の骨が変形する程、靴が壊れる程練習した。大丈夫だ。そう思い直し、涙を拭いてスタンバイした。喜びの曲にふさわしいよう、残り少ない時間で自分の気持ちを上げて出て行った。そこから先の記憶は無い。
永遠に感じた9分。何度もあきらめそうになった。その度に、「あきらめるな! 持ち直せ!」そう言い聞かせて踊り切った。先輩達は楽屋に戻るなり、私に「良かったよ」と声をかけてくれた。あの時、先輩達が居なかったら、私は笑顔で舞台に出る事は出来なかった。先輩方のありがたさと、自分の未熟さを思い知った発表会だった。

(神奈川県/デブでもフラメンコ/40代)

<パセオフラメンコ2010年2月号 掲載>

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