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2017-08-15

生きる時間の長さよりも

フラメンコを始めて6年目。30代後半の遅い年齢からのスタートだったけど、ソロで踊らせて頂く機会にも何度か恵まれ、益々フラメンコが好きになっていた日々だった。その初春、にわかには信じ難い内容のメールが友人から入った。「教室のギタリストさんが、今朝急に亡くなられたそうです」。心筋梗塞。享年35歳。その前年の新人公演で奨励賞を授賞。「今年はレコーディングしてCDでも作ろうかな」と言っていた笑顔。レッスンの度、その力強い心の入った音で私達を包んで下さっていた。
それから1ヶ月後、一緒に頑張ってた友人が29歳の若さでガンで亡くなった。その前年の発表会で、彼女はお客様の目を釘付けにする素敵なガロティンを踊った。「もう思い残す事はないなぁ」と、しみじみ呟いた彼女。それからわずか5ヶ月後の急逝だった。心に大きな穴があいた。だがこの二つの悲しみは私の心を変えてくれた。いつまで生きられるはわからないけど一生懸命に一生かけてフラメンコと向き合う。肝心なのは生きる時間の長さではなくて、悔いなく生きること。二人の笑顔がそれを私に教えてくれた。それをきっかけに、私だけのフラメンコをたくさんの人と楽しさを共有するものに変えたいと思った。だから、意を決して教える為のスキルを学び始めた。
既に40代半ば。体力も気力も若い頃のようにはいかないけれど、失ったものの代わりに得たものもあるはず。転んでもただじゃ起きないのがフラメンコ!生きてる限りフラメンコ!

(福岡県/shekere/46歳)

パセオフラメンコ20103月号 掲載

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