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2017-08-17

牧場に「オレ!」がこだまする

恋と仕事とフラメンコ。全てがスランプで、逃げるように北海道の酪農家にやって来た。夫と結婚する時にも困難があったが、もう逃げないと覚悟を決めた。そして最大の転機は訪れた。三番目の子供が重い病気を持って生まれたのだ。感染症予防のため家にこもり、ただ手術を待ちピリピリ過ごす日々。「このままでは私も家族も不幸になる。そうだ! 趣味を再開しよう」と、一番思い入れの強かったフラメンコを選んだ。あの頃掴みかけたフラメンコの動きとフラメンコ音楽を好きな気持ちは自分の中に残っていた。レッスン通いが難しいので、DVDでの自主練習をメインに、年に数回だけ汽車で一日かけ札幌へライブや単発レッスンに行っている。地元の人にフラメンコを知ってもらいたくて、先日は町の演芸大会に出て一人で踊った。間奏でパルマを叩くと、司会をやってた親戚のおじさんが慌てて「皆さん手拍子をお願いします!」と言い、観客が手拍子を始めた。予想通りの展開に途中からはニヤけながらとても楽しく踊れた。なんとか形になったような拙い踊りではあったが、意外にも大絶賛され、一躍時の人に。そしていっちょまえに人に教えるようにもなった。どんくさい私ならではのアドバイス満載のレッスン。もちろん自身のため、毎朝毎晩の」とハレオ。しっぽをかわしビシッと静止。どこまでも続く大空と牧草地に、今日も「オレ!」の声がこだまする。

(北海道・さらこ/36歳)

パセオフラメンコ20105月号 掲載

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