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2017-08-24

いつか懺悔を恩返しに

仕事一筋だった私の唯一の息抜きが月に数回のフラメンコだった。当時は、音楽にのって少し汗をかければ満足で、十分ストレスは解消されていた。シフト制で休日が不規則な仕事をしている私としては、チケット制のフラメンコ教室がとても便利だった。このまま何年もセビジャーナスを習っているだけでいいと思ってた。が、たまたま見つけたスペインバルでその人に出会ってしまった。華やかな衣装、眩しい照明、それらに負けないくらいの輝きを放つ女性。この人にフラメンコを習いたい! 上手になりたい! 今まで持ったことのない感情に襲われた。毎週同じ時間にレッスンを受けるという、私には無理なスケジュールに悩んだが、入門することにした。
なるべく仕事の休日をレッスン日に合うように設定してきたが、どうしても無理な時は有給を使用。幸い、仕事ばかりしてきた私には余りあるほどの有給がたまっていたが、問題は休暇をもらうための理由。母には何度も病気になってもらった。怪我もしてもらった。インフルエンザにまでしてしまったことをここで懺悔したい。まさかフラメンコ踊ってくるから仕事を休ませて下さいとも言えなくて、「ごめんなさい、お母さん」と母に手を合わせながら、レッスンへ通っている。そしてもう一人、母の容態を心配して下さる課長にも手を合わせずにはいられない。二人には申し訳ないと思いつつ、フラメンコの上達がきっと恩返しになるだろうと信じて、今日も熱心にレッスンを受けている。

(東京都・AIRI/30歳)

パセオフラメンコ201012月号 掲載

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